試験までの全体スケジュール作成

公認会計士の論文式試験の合格に向けて、まずは全体のスケジュールを明確にすることが効果的です。

各期間で学習する内容を具体的に決め、カレンダーに落とし込んでいきましょう。効果的な学習のために、重要な項目や頻出分野を整理し、復習のタイミングを明確にしておくことをおすすめします。

科目別の学習時間配分

科目ごとの配点と、自身の理解度に応じた時間配分が大切です。各科目の学習では、計画的な復習を行うことで、より効果的な学習が期待できます。とくに頻出分野や苦手な単元は、翌日・1週間後・4週間後といった計画的な復習を心がけましょう。

この計画的な復習を実現するために、試験科目の教材やノートにエビングハウスフセンを活用して、復習のタイミングを可視化することが効果的です。

短期・中期・長期目標の設定

公認会計士の論文式試験の学習では、具体的な目標設定が肝要です。期間ごとの適切な目標設定により、モチベーションを維持しながら着実に前進できます。目標は定期的に見直し、達成状況に応じて柔軟に調整することが大切です。

進捗管理と適切な復習

計画を実効性のあるものにするには、進捗確認と適切な復習が不可欠です。とくに、理解が不十分な分野は、しっかりと復習をしましょう。進捗状況や理解度に応じて、復習のタイミングを柔軟に調整していくことが重要です。

エビングハウスの研究と節約率

ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスは1880年代の研究で「節約率」という概念を示しました。これは、一度学習した内容を再び学習する際に、どれだけ時間を節約できるかを表す指標です。彼の実験によると、学習から時間が経過するほど節約率は低下しますが、適切なタイミングでの復習により、再学習の効率を高められることが明らかになりました。

節約率は次の式で表されます。

（節約率）＝（節約された時間または回数）÷（最初に要した時間または回数）

たとえば、最初の学習に10時間かかった内容を復習する際に4時間で済んだ場合、節約率は60％【（10－4）÷10＝0.6】となります。この節約率の概念に基づき、公認会計士の論文式試験の膨大な学習内容に対しても、計画的な復習タイミングを設けることで効率を高められます。エビングハウスフセンを活用することで、この復習タイミングの管理が容易になります。

最適な復習タイミング

エビングハウスフセンでは、効果的な学習のために以下の3段階の復習タイミングを設定しています。

• 1回目：翌日の復習で学習内容を確認
• 2回目：最初の学習から1週間後の復習で理解を深める
• 3回目：最初の学習から4週間後の復習で学習内容を定着

このような計画的な復習タイミングを可視化するために、エビングハウスフセンの活用が効果的です。

とくに暗記が必要な学習では、このフセンを使って復習サイクルを管理することで、試験本番でも確実に活用できる知識として習得できます。

科目特性に応じた復習間隔の調整

公認会計士の論文式試験の各科目には、それぞれ特性があり、その特性に合わせて復習間隔を調整することで学習効率が高まります。財務会計や管理会計では計算問題が多く、企業法は条文理解が中心となるため、復習方法を工夫する必要があります。

また、とくに重要な項目は、エビングハウスフセンの切り取りタイミングで必ずチェックを行い、理解が不十分な場合は次の復習サイクルに組み込むことがおすすめです。さらに、各回のチェック結果を学習ノートに記録することで、自身の理解度の変化や効果的な学習方法の発見にもつながります。

フセン活用の基本ルール

エビングハウスフセンを効果的に活用するには、いくつかの基本ルールを押さえることが大切です。まずは1科目から始めることをおすすめします。これは、復習量が徐々に増えていくため、無理なく継続できる習慣を作るためです。

フセンは学習した日付と同じ数字が記載されたものを選び、テキストや問題集の該当ページに貼ります。とくに、理解はできているものの、繰り返し確認が必要な項目に使用すると効果的です。フセンの切り取りは、復習が完了した時点で行い、次の復習日を視覚的に管理します。

復習タイミングの管理システム

エビングハウスフセンは「翌日」「1週間後」「4週間後」という3段階の復習を促すよう設計されています。月の日数に合わせて「28日用」「30日用」「31日用」が用意されているため、学習を始めた月に適したものを選びましょう。

復習時は、その日に期限が来ているフセンを確認し、該当する内容を学習します。復習が完了したら、対応する部分を切り取ります。この作業を繰り返すことで、自然と計画的な復習習慣が身につきます。また、切り取られていないフセンを見ることで、その日の復習項目を一目で把握できます。

重要度に応じた配置方法

エビングハウスフセンの配置は、学習内容の重要度に応じて工夫することで、より効果的な復習が可能になります。とくに試験での配点が高い項目や、過去の模試で間違えた問題には、フセンの横に赤ペンで印をつけるなど、視認性を高める工夫も効果的です。また、関連する内容のフセンは近くに配置することで、復習時に関連付けて学習できます。整理整頓された配置が、効果的な学習を支える土台となります。

定期的な見直しと更新手順

エビングハウスフセンを使った学習を継続的に進めるには、定期的な見直しが大切です。週に一度は以下の確認を行いましょう。

このような定期的な確認により、計画的な復習を続けられます。とくに、月が変わる際は使用するフセンの種類（28日用、30日用、31日用）の確認も忘れずに行いましょう。